動脈硬化に関連がある全身の病気や血液の異常を調べます

脳卒中の危険因子となる糖尿病、肝疾患、腎疾患などの全身の病気を調べるために、以下の項目に上げた「血液生化学検査」が行なわれます。

これと並行して、血液の固まりやすさ(血液粘度)などを把握するため、血小板数、赤血球、白血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットなどの数値を調べる「血液学的検査」も実施されます。

血糖
生命活動のエネルギー源となるブドウ糖の血液中の濃度を「血糖値」といいます。血糖値は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きによって調節されています。

インスリンの不足や、細胞が十分な糖を取り込めなくなると、高血糖になります。これが「糖尿病」です。高血糖の状態が長期間続くと、血管の壁が脆くなって脳卒中の原因となります。

総コレステロール
コレステロールは細胞膜、副腎皮質ホルモンなどのホルモン、胆汁などを作るために欠かせない物質ですが、血液中のコレステロールが増えすぎると動脈硬化を促進して、脳梗塞を発症しやすくなります。

HDLコレステロール
血管内に放置されたコレステロールを吸収して肝臓に戻す働きをしている、「善玉」のコレステロールです。この数値が低いということは、肝臓に戻されるコレステロールの量が減少していることを示しているので、脳梗塞のリスクが上昇します。

LDLコレステロール
HDLとは逆の働きをします。すなわち肝臓から抹消の組織にコレステロールを運び、余った分を血管内に放置します。血管内の余分なコレステロールは血管壁に沈着して動脈硬化を進行させるため、脳梗塞の発症につながります。

中性脂肪
体内で使用されなかった脂肪の多くは、中性脂肪として肝臓や脂肪細動などに蓄えられ、運動量が増加すると蓄積されていた中性脂肪をエネルギー源として利用します。しかし、過剰な中性脂肪は肥満を招いたり、動脈硬化を促進させるため、脳卒中のリスクが高まります。

尿酸
DNAやRNAを構成する成分の一つである「プリン体」が分解される時にできるのが、尿酸です。尿酸の多くは腎臓の糸球体で濾過されて尿として排泄されますが、尿酸値が高い状態が続くと、関節に溜まって痛風発作を起こしたり、腎障害を起こします。腎障害は脳卒中の危険因子の一つです。

GOT、GPT(AST、ALT)
肝細胞に多く含まれている酵素です。肝臓が病気などで障害を受けて細胞が破壊されると、血液中に流れ出して数値が高くなります。重症の肝臓病がある人は、脳出血の発症リスクが高まります。

γ-GTP
同上。特にアルコールによる肝障害に敏感に反応します。

総ビリルビン
急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変などで肝臓がダメージを受けて、機能低下が見られるときに数値が上昇します。

クレアチニン
腎臓にある糸球体で濾過されて、ほとんどが尿中に排出されます。しかし、腎機能が障害されると数値が高くなります。慢性腎臓病(CKD)などで腎機能が低下し続けると、脳卒中の発症リスクが高まります。

尿素窒素
体内でエネルギーとして使用されたたんぱく質の代謝産物です。大半が腎臓で濾過されて尿中に排出されますが、腎不全などで腎機能が低下すると、数値が高くなります。