MRIやMRAに比べて時間も負担も少ないマルチスライスCT

通常、脳梗塞の診断を行うには、従来からあるCTとMRIに加えて、場合によってはMRAによる検査となります。画像技術の進歩で、これらの画像診断により無症状の脳梗塞の発見が可能となったのですが、欠点もありました。

例えば、MRIは1回につき30分〜1時間の検査時間が必要であるということと、撮影はガントリーと呼ばれるトンネル状の機器に横になった状態で入るのですが、撮影中は「ゴン、ゴン、ゴン」と工事現場のような音が耳元で絶え間なく聞こえるなど、負担が少なからずかかるという点です。

そこで近年、一部の医療機関で導入されているのが、これまで1列だったX線検出器を複数に配列したマルチスライスCTです。マルチスライスCTなら1回の撮影で脳血管領域での微細な血管構造の描出できますので、検査時間と身体への負担が大幅に軽減されました。頭部のCT撮影に必要な時間はわずか10秒ほどですし、画像も非常に鮮明です。

これまで閉所恐怖症などでMRIを断念した方もこの最新技術の登場によって、気軽に脳ドックでの検査を受けることができるようになりました。

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