脳梗塞の抗血小板療法:血栓ができるのを予防

動脈硬化のために脆くなった血管壁は、血液の圧力で傷つきやすいものです。そこへ血小板が集まり、しばしば血小板による血栓ができて、脳血栓を招きます。

そこで、脳梗塞の再発予防のために、薬を使って血小板が集まるのを抑える治療を行います。これが抗血小板療法です。主に、白色血栓の多いラクナ梗塞アテローム血栓性脳梗塞に対して行なわれます。

治療に使われる抗血小板薬には、いくつかの種類があります。急性期によく使われるのはオザグレルナトリウム(商品名:カタクロット、キサンボン)という薬です。オザグレルナトリウムには、血液を固まりにくくするとともに、手足などの運動麻痺を改善する効果があり、急性期の治療薬として注目されています。

一方、慢性期の治療や再発予防によく用いられるのが、アスピリン(商品名:バファリン、バイアスピリン)です。アスピリンは解熱鎮痛薬としても有名ですが、血液が固まるのを防ぐ作用もあるため、脳梗塞の再発予防やTIA(一過性脳虚血発作)にも使われています。

アスピリンは解熱鎮痛薬としてドラッグストアで購入できますが、脳梗塞の抗血小板療法に投与される薬とは成分や用量が異なるため、市販薬で代用することはできません。アスピリンには胃痛に代表される消化器症状の副作用、気管支喘息の人は発作が起こりやすくなるという副作用があるため、投与は慎重に行います。

アスピリンの効果が不十分な場合、日本では長い間、チクロピジン(商品名:パナルジンなど)という薬が用いられてきましたが、まれに重い副作用が出るため、最近では副作用の少ないクロピドグレル(商品名:プラビックス)という薬が広まっています。

そのほか閉塞性動脈硬化症の治療薬でもあるシロスタゾール(商品名:プレタールなど)にも、血小板凝集抑制のほか、抗動脈硬化作用や血流改善作用が認められていることから、脳梗塞の再発を予防する目的で多くの患者さんに投与されています。

血栓を作らせないようにするための治療には、抗血小板療法のほかに、抗凝固療法があります。どちらも症状の悪化や再発を防ぐことができますが、発症から48時間以内に行なうことが必要です。