TIA(一過性脳虚血発作)は脳梗塞の前触れ症状です

脳梗塞を発症した患者さんお約30%は、本格的な発作が来る前に「前触れ」ともいえる症状を経験しています。脳梗塞の一時的に起こる小さな発作をTIA(一過性脳虚血発作)といい、脳の血管に血栓(血の塊)が詰まって起こります。TIAが起こると詰まった箇所より先に血液が流れにくくなるため、脳が障害されます。

ただしこの時点では、脳梗塞とTIAの区別はできません。24時間以内に血栓が自然に溶けて、血流が回復すればTIAとみなされますが、実際には、数分〜数十分で回復することがほとんどです。

TIAの大半は頸動脈から流れてきた血栓が血管を詰まらせることが原因とされています。頸動脈に動脈硬化が起こると、そこに血栓ができやすくなりますが、それが剥がれて血流にのって脳動脈へ流れていき、血管を詰まらせてしまうのです。

このような血栓は小さいため、時間が経つと粉々に砕けて流れ去ったり、溶けて消失してしまいます。その結果、一時は閉塞してた脳の血管の血流が再開し、元の状態に戻るというわけです。

TIAでは、「めまい、視野障害、片麻痺・痺れ、言語障害、動きがぎこちなくなる」といった脳梗塞の症状が現れますが、血流が回復すれば治ります。しかし、TIAはやがて来る脳梗塞の危険サインであることが多く、TIAの5〜10%は24〜48時間以内に本格的な脳梗塞を発症しています。

TIAが起きたということは、脳梗塞の下地ができているということです。仮にTIAが消失してから数日間なにも起こらなかったとしても、治療を受けずに放置していると、約30%の人が数年以内に本格的な脳梗塞の発作を起こすといわれています。

なかでも、脳の太い血管が詰まるアテローム血栓性脳梗塞の危険信号とされていますので、上記の症状を自覚した人は、なるべく早く専門医(神経内科、脳神経外科)を受診しましょう。TIAの段階で予防対策を講じれば、脳梗塞を発症するリスクは低くなります。