磁気と電磁波によって脳の断面画像を得るMRI検査

X線ではなく、磁気の共鳴を利用した画像抽出法です。強い磁場を作り出すトンネル上の大きな磁石の中に体を置き、ラジオ波という高周波の電磁波を当てたときに、体内の分子がそれを吸収して送り返してくる反応をコンピューターで読み取り、画像として描き出します。

CTでは輪切りにした画像しか映し出せませんが、MRIでは縦横斜めなどあらゆる方向から自由に脳の断面画像を写し出すことができます。磁気は頭蓋骨に邪魔されることはありませんので、CTでは見逃されやすい骨の陰に隠れている部分の映像まで、鮮明に映し出されます。

脳梗塞を起こした場合、発症から24時間以内のCT検査では、病変を映し出すことはできません。これに対し、MRI検査は「拡散強調画像」という撮像方法が可能なため、発症間もない脳梗塞の病変や小さな梗塞などもはっきりと映し出せます。

MRI室は強力な磁場となっているため、金属類を身につけた状態で入室するだけでも危険です。入室の際には、検査技師の指示を必ず守るようにしましょう。心臓に持病があってペースペーカーや自動徐細動器を使用している人はこの検査を受けることはできません。

脳内の様子を画像化します

検査中は、頭全体をガントリーと呼ばれるトンネル状の狭い空間(上の写真参照)に入れた状態で、「ゴンゴンゴン!…」「ガンガンガン!…」そして時折「ビッ、ビッ、ビッー!…」という音がエンドレスで流れるので、閉所恐怖症の方はあらかじめ医師に相談しておいたほうが良いでしょう。

MRIの性能は、「テスラ(T)」という単位で表され、この数値が大きいほど高性能かつ検査時間も短くてすみます。脳ドックを実施する医療機関の大半は1.5ステラもしくは3ステラですので、性能的には十分です。検査時間は30分から長くて40分です。

私が実際に検査を受けた感想としては、検査中は視界が遮られますし(目の前はMRI装置)、音もうるさいので、気を紛らわせる術がなくて30分が凄く長く感じられました。手元には室外にいる検査技師を呼ぶためのボタンを握っているので、「気分が悪くなったらどうしよう…」という不安はまったくありませんでした。

近年は一部の脳ドックで、従来のCTよりも画像解析度が高く、MRIよりも検査時間が大幅に短縮されたマルチスライスCTが登場しています。

MRIはCTと違って放射線の被ばく量がゼロなので、何度でも検査を受けることができます。したがって、CTの高性能化が進んだとしても、今後も脳ドックの画像診断の主役がMRIであることは間違いありません。

MRIが微細な脳出血、隠れ脳梗塞など自覚症状に乏しい「脳本体の異常」を発見するのに対し、同じMRI装置を使用して、未破裂脳動脈瘤などの「脳の血管の異常」を描出するのがMRA(脳血管造影)と呼ばれる検査手法です。

MRA(脳血管撮影) | マルチスライスCT | 超音波検査 | 脳波測定 | 心電図 | 血圧測定 | 眼底検査

Copyright(C)2015 脳ドックの基礎知識 All Rights Reserved