血栓溶解力が強いt-PAで脳梗塞の後遺症を大幅に軽減

脳梗塞の多くは血栓(血の塊)が脳の血管に詰まって発症します。そこで血栓を溶かす薬を使い、血流を回復させる治療が行われます。血栓を溶かす薬には、ウロキナーゼとt-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)の2種類があります。

ウロキナーゼは、従来から使われている薬ですが、血栓を溶かす力はそれほど強くありません。カテーテルと呼ばれるごく細い管を脳の血管まで送り込み、梗塞部の手前で投与します。

一方、t-PAは2005年に脳梗塞への健康保険適用が認められた、比較的新しい薬です。血栓を溶かす力が非常に強く、注射と点滴で投与されます。t-PAの治療効果は高く、発症後3時間以内の使用で、後遺症の程度を大幅に軽減することが可能です。

アメリカの研究では、発症3時間以内にt-PAを点滴投与したところ。39%の患者さんが後遺症なく社会復帰したと報告されています。

しかし、血管の損傷が著しいケースでt-PAを使用すると、血管が血流の圧力に耐えきれず、破れて出血することがあります。そのため、t-PAの使用に際しては、「発症後3時間以内」などの基準を細かく定め、安全に使うことのできる患者さんにのみ、用いられています。