倒れてからでは遅い!脳ドックで症状のない脳梗塞を早期発見

あらかじめからだの状態をチェックして、病気の早期発見・早期治療に役立てる目的で始められた人間ドック。これは主に生活習慣病の兆候を発見することに重点が置かれていたため、日本人の死亡原因の第3位となっている脳卒中(脳血管障害)については、危険因子を把握しても、脳の病変まで知ることはできませんでした。

中心はMRIやMRAなどの画像診断です

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などは、生命を一瞬にして奪ったり、言語障害や麻痺などの重い後遺症をもたらすことも少なくありません。小渕恵三・元首相やプロ野球の長嶋茂雄さん、最近ではサッカーのイビチャ・オシム前監督が、脳梗塞で倒れられたのも記憶に新しいところです。

脳卒中は、「発症してから」の治療では遅く、「発症自体を防ぐための予防」が重要です。そこで、脳の病気を未然に発見するために1980年代の後半にスタートしたのが、「脳ドック」です。健康への意識が高まる中、受診者も年々増加しています。

検査の主役となるのは、MRIやMRAなどの画像検査で、それに加えて、血液検査、尿検査、心電図、頚部超音波などが行なわれます。苦痛はほとんどありませんので、安心して受けることができます。

これらの検査で発見の対象となる病気は、自覚症状のない脳梗塞(無症候性脳梗塞)をはじめ、未破裂動脈瘤、脳腫瘍、脳動脈奇形、歌手の徳永英明さんも闘病された「もやもや病」、認知症など多岐にわたります。

万が一、なんらかの異常が発見されたとしても、多くはすぐに進行・悪化する恐れのないもので、「経過観察」となります。これは食事や運動などの生活習慣の改善を行なえば、特別な処置をしなくても病気の発症を回避することができるということです。

高血圧、糖尿病、肥満、あるいは家族に脳卒中になった人が居るなどの危険因子がある人は、自分の脳の状態を知る貴重な機会です。これらに該当する人は、40歳を過ぎたら一度、脳ドックを受診してみてはいかがでしょうか?

なお、過去に脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など、脳神経外科疾患にかかったことのある人、過去に脳ドックを受診して異常が認められ、経過観察中であったり、精密検査や治療を受けている人などは、受診できない場合があります。